8月6日(月曜日)、北京大学経済研究所副所長馮科教授と対外經濟貿易大学国際経済研究院副院長藍慶新教授を招いて、「中国不動産業の発展と問題点」と「中国経済の現状と問題点」をテーマにシンポジュームを行った。司会者は会員張 紀尋(城西大学教授)である。
まず、馮教授は中国の不動産市場について説明し、「政府は金融緩和政策をとり、不動産管理を強調する一方、一部の不動産企業は不動産管理の緩和を判断し、土地の取得に力を入れるため、不動産価格が上昇する傾向がみられる」ことを指摘し、政府の不動産管理目標を達成することが難しいとした。このような状況の下で、「もし政府は不動産管理を緩和すれば、どのような問題が生じるのか」また「もし不動産価格が再び高まる場合、中国経済にどのような問題をもたらすか」という二つの問題を中心に分析を加えた。馮教授の分析を以下の点に要約することができる。
中国の高度成長と工業化は低いコストの工業化と都市化に起因する。しかし、都市化のコストが高ければ、中国の工業化の発展速度を遅らせる恐れがあり、高い不動産価格は必然的に工業化のコストを高め、輸出に不利である。
中日両国の産業連関度があまりにも高い。中国輸出製品のカギとなる部品のうち、日本からの輸入品が多い。中国の輸出が減少すれば、日本からの輸入も減少するに違いない。
中国経済に見られる多くの問題が不動産と土地に集中しているので、不動産価格の上昇は中国の経済発展に悪影響をもたらす恐れがある。
続いて藍教授は講演を行った。藍教授は、中國経済の発展要因を①市場経済の導入、②人口ボーナス、③土地価格、④外資導入、⑤WTO加盟、⑥テロへの反対の六つと指摘し、それぞれについて詳しく説明した。また、当面中国の経済発展にとって有利な要因と不利な要因について分析し、今後中国経済の発展方向について展望した。
両教授の講演が終われば、活発な討論が行われた。華人教授会議のほかに、対外経済貿易大学日本学友会と北京大学日本学友会並び日中経済発展センターの会員も多く討論に参加した。参加者数は40人を超え、大盛況を呈した。時間を割いて出席してくださった皆さんにお礼を申し上げたい。
シンポジュームが終了後、馮教授と藍教授を囲み、懇親会を実施した。